大使挨拶
令和6年4月4日
大澤誠大使の挨拶
2024年4月3日、シンディ・キロ総督に信任状を捧呈し、駐ニュージーランド日本国大使として公式に活動を開始いたしました。
私は、日本とニュージーランドが合意したはじめての貿易協定交渉である環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉の際、農林水産物の主任交渉官としてニュージーランドを数回訪れたことがあります。その後この合意は、「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(CPTPP)として実を結び、地域における自由で公正な貿易システムの中核として両国に繁栄をもたらしています。
今回そうした縁のあるニュージーランドに大使として赴任し、ニュージーランドのユニークで多様な歴史、社会、文化、自然を学び、両国の友好関係をさらに発展させていく機会を得たことは、大変光栄であります。
今後私が取り組んでまいりたい点は以下の3点です。まず第一に、両国の戦略的協力パートナーシップをさらに強化することです。両国の緊密な協力により、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の実現に取り組み、この地域が包摂的で、安定し、繁栄することを目指します。特に、太平洋島嶼地域における、人間の尊厳を守るための気候変動、海洋安全保障、人道支援・災害救援などの課題における日・ニュージーランド協力が重要であると考えています。
第二に、二国間のビジネス関係を更に発展させることです。日本はニュージーランドにとって第四の貿易相手国です。二国間のビジネス関係強化に中核的な役割を担っている日本ニュージーランド経済人会議が今年で50回目の開催を迎えます。この機会に、農林水産業など伝統的な分野から再生可能エネルギーや宇宙開発など新しい分野まで、急速に拡大する二国間ビジネス関係の発展をバックアップしていきます。
第三に、人の交流の復活と深化です。新型コロナによって激減した両国間の人的往来を回復することが急務です。両国間の44もの姉妹都市関係、ラグビーなどのスポーツ交流、観光、JETプログラムなどの青少年交流、文化交流などを通じて、人の交流を復活させ深化させたいと考えています。
ニュージーランドには約2万人の在留邦人が居住し、220の日本企業が進出しています。日本大使館は、短期滞在者、長期滞在者を問わず、ニュージーランドを訪れるすべての日本人の方々が、安心して過ごすことができるよう、今後も尽力してまいります。
交流の基本は、お互いの文化から学び合い、お互いを尊重し合うことから生まれます。大使として、率先してニュージーランドを理解し、日本に紹介していくこと、そしてニュージーランドの方々に日本の良さを理解していただくことに努めてまいります。
2024年4月
駐ニュージーランド特命全権大使
大澤 誠